2015年3月31日火曜日

2007 Corton Blanc Grand Cru Vieilles Vignes Dominique Laurent





 最上級のワインとは。。。と言われて説明するのは非常に難しい。
自分でもちゃんと理解しているのか難しいところだ。
しかし、ある程度ワインを嗜んできた人がこれを飲めば、これが最上級のワインのうちの一つという事は直感で理解できる。

とにかくでっかいワインだ。
ミネラルの量と複雑性が液体の許容量ギリギリまで詰め込まれているのが分かる。
モンラッシェではないが、膝まついて飲んでしかるべき。。。

2015年3月25日水曜日

2013 Achille Il Buonvicino

茶色がかった赤。
コルクが固く、少し揺らしてしまったので澱が舞っている。

相変わらずブォンヴィチーノらしい特殊さを持っている。
元々かなり遅摘みで少し貴腐のニュアンスも混ざっているんじゃないかな。
発酵しきれない残糖が残るほどの元々の糖分だし。
元々デザートワイン用の品種であるからなのかもしれないが、実際デザートワインに片足突っ込んだようなワインだよなー。
そのバランス感覚が絶妙。

紅茶、ハーブ、香水の複雑なアロマがプンプンだし。
濃密で旨みとナチュラル感は半端じゃない。
ワインとは農作物という本質を思い出させてくれる。

完熟期を待って、バッと収穫して、ガシッと潰して、あとは自然にお任せ!なるようになるわ!って感じなんだろうなー。
やっぱりこうゆうのが好きだなあ。

2015年3月24日火曜日

ミネラルについて考えてみた2


あくまでも自分の中でのまとめ。

主にワイン用ブドウ栽培での外的要因について考えみると

気候(温度、湿度、降雨量、日照量、etc)×
品種(シャルドネ、ピノノワール)×
土壌(石灰質、砂岩質、粘土質、理土質)

大雑把にいって、これに造り手が加わってワインはできる。
どの要素もワイン造りには非常に重要な要素。
順位はつけられないと気づく。

 変えられる物を省く。
品種、造り手。
厳密に言ったらクローンの選択など非常に重要だと思うがここでは却下。

気候or土壌。

例えば全く同じ土壌で違う気候条件の元、ワインを造ったらどうなるか。
気候によってある程度葡萄自体をコントロールすることはできると思われる。
品種、クローン選択や栽培方法,etc...
もちろん限界はあるが

しかし、土壌を変えることはできない。
地面の下に広がっている地層の移動はできないので、ワイン造りにおいて土地決めは最も慎重にやらなければならない。
その岩盤から吸収できるミネラリティは、畑で貝柄を撒いたり等の応急処置とは比べられない程のミネラル量を吸収できると思う。
ある程度近づく事はできると思うけれども味わいの中で表現された時に、上っ面の物と、下で構えている物、という差になって表れてくると思う。


カリフォルニアの優秀なワインメーカーも最初は石灰質の土壌探しに躍起になっていたと聞く。
日本だったら長瀞とか武甲山系の石灰岩が続く地域には可能性はあるのかもしれないな。
山奥だけど。

もし、自分がワインメーカーだったら多少の降雨量や気温を犠牲にして地盤の質を重視して場所選びをするかもな。

2001 Meulsault 1er Cru Gotte D'or Maison Louis Latour

グットドール=黄金の滴というのはよく言ったものだと感心する。
まさに黄金のような色合いで現在はまだ黄色と薄い黄緑の若めのニュアンスのある色調も含み、完全な黄金になるにはもう少し時間がかかるという印象だ。単純な酸化による黄色ではない。ミネラリティによるものだと思う。
ようやっと飲み頃に差し掛かった頃と考えて問題なく、今後20年程に渡って楽しめると思う。

ムルソーらしいバタリーな香り。厚みのあるミネラルが馴染んできた印象のするドシッと腰を据えた大柄なワイン。
余韻は伸びるというより広がる。
太目の中心線があるようなワインで、大柄過ぎて逆につかみづらいかもしれないが構造のある良いワイン。
スケールの大きい液体だ。


ルイ・ラトゥールは熟成した大柄ワインが比較安めで楽しめて非常に良い造り手だと感じる。
若い時よりも年数を経た物をキャッチするのがお買い得と言えるかもしれない。

大手メゾンの名に恥じない一品だと思える高級ワインだ。
ムルソーの姿、特性もつかみやすい。

1988 Gevrey-Chambertin Vieilles Vignes 1/2 Maison Roche de Bellene Collection Bellenum

ニコラ・ポテルの選球眼が光る良いワインに出会った。
これはハーフだけれども、おそらく4000程なのでヴィンテージを考えれば状態次第で非常にお買い得だ。
古いワインの場合気をつけたいのはまずは出所だ。
蔵出しなら信用性は高いが必ずしも良い状態とは限らない。
店頭の掘り出しなら状態管理に余程信頼できる店でなければ怖い。

またハーフは全体の液量に対して表面の割合が高いので熟成のスピードも速くなりがち。
逆にマグナムはゆったりとした熟成が期待でき、基本的にはマグナムの方が価値が高い。

 今回は村名であったため、ほぼ30年物ということになる。
正直、あまり知らないメゾンだとおっかなびっくりなテイスティングになると思うが、二コラ・ポテルという事もあり、結構飲む前からの期待値は割と高かった。

 結果は非常に綺麗に熟成してきた村名ジュヴレ=シャンベルタンだった。
艶やかで非常にキレイな熟成香を楽しめる。
複雑性を十分に発揮している香りで、まだまだ若々しい果実感も楽しめる。
大まかな予想ではあと5〜10年はちゃんと保存すればいけそうだ。
アフターの余韻も甘美で伸びやかだ。
奥行きもあり、単に売れ残ったワインが年数が経って出てきた、という物ではない。

ジュヴレらしい鉄、血のニュアンスもたっぷりあり、熟成ジュヴレの醍醐味は存分に楽しめる。
こうゆうのが熟成ワインの醍醐味を知りたい人にはうってつけだと思うし、幅広く楽しんでもらえるはず。
熟成ワインはなんでもそうだが特にハーフは揺らしやすいので、しっかりと落ち着けて注ぐ時にもなるべく上澄みをつぐようなイメージで注がなければならない。
もしも揺らしてしまったらグラスに入れて少し澱を落としてから上澄みをすくうように飲むのもポイントだ。

そうすれば間違いなく美味しい。

2015年3月23日月曜日

2013 Augusto Il Buonvicino


 il Buonvicinoは本業がアグリツーリズモであり、ワイン造りは農業や宿泊業の一環としてやっているからなのか気負いの無さが非常に良い方向に働いているような気がする。

 独特の香水、またはフルーツリキュールのような甘美な香りが若いうち楽しめる。

これは前ヴィンテージ同様で、バローロやバルバレスコが熟成により出てくるような香りの一部分が早くから放出されているような気もする。
もちろんこのワインはドルチェットだが、共通項のような気がする。
ピエモンテという土地のミネラリティなのかもしれないが、改めて土地の素晴らしさを感じる。
いずれにしても樹齢がある程度以上にいった複雑性を感じさせ、ただナチュラルなだけではないというワイン。
もちろん恐ろしくナチュラルであり、温度変化が命取りになる可能性は非常に高い。
しかしワインは完全に安定していて、ナチュラルワインに対する理解度が高い。
というよりも、食材全般に対してのセンスが半端じゃない。

一見あっけらかんとしつつも、食材に対しての奥深い教養を感じる。

2015年3月20日金曜日

2012 Bourgogne Aligote Domaine Nicolas Rouges

二コラ・ルジェの現在の方向性はなるべく作為的な物を排除して、余計な手は加えない。
しかし、ブルゴーニュとしてのルールは守る。そんな感じがする。
冷静に現在のブルゴーニュと自然派のあり方を見て自分の造りに反映しているような印象をうける。
それが非常にクレバーで最も良いバランスになっていると思う。

ニュイのニュアンスのあるアリゴテ。
チョークの石灰質のような感じ。
キラキラのミネラルというよりもシャブリに近い感じ。
ブーズロンのアリゴテも美味しいものもあるがやはり、ミネラリティの違いが感じられる。

酸は良い意味で鋭角的でクール。

かなり良いぞ。